鬼退治で活躍した桃太郎のチカラは子孫へと代々受け継がれ、その後、 魑魅魍魎を駆逐する役目を担っていた。
次期党首である吉備ハクレイも元服し放浪したまま便りの無い父に代わり「桃太郎」を襲名する。
近頃、 温羅が封印された首塚の近くで黒い鬼が頻繁に目撃され襲名して間もない桃太郎に「鬼退治」の任務が与えられる。
二代目桃太郎 襲名
彼の名は吉備ハクレイ
その昔、初代桃太郎により葬られ一度は封印された鬼であったが、 「黒い鬼」の出現により、 朝廷は鬼退治の任務を命じた。
元服したばかりのハクレイは「桃太郎」の名を襲名し、 不思議な力をもつ「黍団子」を頼りに、 新たな友を探す旅に出る。
望まれなかった少年として
犬飼家に長女として生まれたリン
嫡子が男ではなかったことに犬飼家はひどく悩まされ、 そのことはリンを深く苦しめた。
お家の為に武功を上げるため、 また男として強く生きるためにリンは幼い年頃にも関わらず、 修行の旅に出る。
その旅の途中で――
失敗と挫折 友が紡いだ絆
ある武家の家臣として仕えていた玉臣だったが、 突然言い渡された改易により放浪する身となった。
そんな玉臣のもとを桃太郎は訪ね、 自分と一緒に来てほしいと切願した。 自信を無くしていた玉臣はそのお願いを断るのだが、 桃太郎は何度も訪れた――
力が伝えたかったコト
祭りの途中、 楽々森は輩に言いがかりをつけられ喧嘩を売られる。 腕力だけが自慢の楽々森は、 その輩を力でねじ伏せようとしていた。 二人の仲裁に入った桃太郎だったが、 楽々森とお互いの条件を賭け戦いを始める。
ぶつかり合う激闘のゆくえは――
世を脅かし恐怖に苛まれた温羅の時代は、 時の朝廷の命により初代桃太郎の手によって封印され、 よもや幻影と化したように思えた。
その時代は「武陵桃源」の世と称され、 安穏な時代の時が刻まれていた。
だが一度は途絶えた鬼の血を受け継ぐ梟雄により、 歳月をかけ「温羅復活の儀」を執り行う目論見が暗暗裏に進められていた。
―――温羅が再び蘇ろうとしている。
御槐~鬼
黒い鬼が放つ強大で惨烈を極める力は、 人間によって衰滅された同胞たちの、 血塗られた過去への情念に満ちている。 対峙した一行はその力を前に、 悄然と屈する他なかった。 失踪してたハクレイの父 初代桃太郎もまたその力に平伏し、 配下の身であることを知らされる・・・。